こんにちは、

習慣マネジメンターの齋藤です。

意志の力

すなわち、目の前の誘惑に耐えて長期的なメリットのために行動する力。

脳科学では、この意志の力を司る部分の働きに個人差があることが判明しています。

意志力の働きが弱いのは、やはりハンデになり得ます。

では、意志力の働きが弱い人はどうして弱いのか、どうしたら改善できるのでしょうか。

近年の研究では、ある脳内物質の多寡が意志の力に影響を与えることがわかってきました。

その脳内物質は、「セロトニン」というものです。

意志力をもたらすセロトニンとは

脳内物質セロトニンは、いわゆる覚醒物質として知られています。

セロトニンが分泌されることで、私たちは日中スッキリ目覚めた状態で活動できます。

さらに、眠気をもたらす物質メラトニンは、セロトニンを原料に生成されます。

ですから、十分なセロトニン量がないと寝付きも悪くなってしまうのです。

日中は精力的に活動して、夜はしっかり眠る。夜しっかり眠れるから翌日も元気いっぱいで過ごせる。

この好循環に欠かせない存在がセロトニンなのです。

セロトニンがもたらす意志力

このセロトニンですが、最近の研究で意志の力にも影響することがわかってきました。

こんな実験を行ったそうです。

2つの被験者グループを用意して、

片方は、セロトニンがあまり分泌されない状態、

もう片方は、通常通りセロトニンが分泌される状態にしました。

この両グループにあるゲームをしてもらい、以下の2つの行動どちらを選択するか観測しました。

  • 短時間で少量の報酬をもらえる行動
  • 時間がかかるが多量の報酬をもらえる行動

(報酬はジュースです。被験者は喉がカラッカラの状態です。)

結果はどうだったか。

セロトニンが少ないグループは通常のグループに比べて、短時間で少量の報酬をもらえる行動を選択する人が明らかに多かったのです。

この実験では、MRIを使って脳の反応も調べたのですが、同様の結果が見られました。

セロトニンが不足している人の脳は、長期的な視点で価値判断をする部位の働きが弱かったのです。

つまり、セロトニン量が少ない人は、即時的に誘惑に耐えられず、将来的な視野に立った行動が難しくなる。

ひいては、セロトニンの分泌量を増やすことが意志力の改善をもたらしうる、という結果が得られたわけですね。

セロトニンの原料はトリプトファン

ちなみにこの実験、セロトニン量をどのようにコントロールしたかというと、食事です。

セロトニンが不足しているグループは、トリプトファンという栄養素を制限したのです。

セロトニンが体内で生成されるには原料となるトリプトファンが必要となります。

ただトリプトファン自体は体内で生成することができません。食事から摂取する必要があります。

ですから食事を制限したことでセロトニン量をコントロールしたわけですね。

ということは、です。

トリプトファンが不足するような食生活をしている人は、セロトニンも不足している可能性が高く、結果、意志の力も弱っている可能性があります。

反対に言えば、意志力が弱いと感じる人はトリプトファンを意識的に摂取することで改善する可能性があるのです。

トリプトファンを含む食事とは?

では、トリプトファンはどのような食べ物に含まれているのでしょうか。

トリプトファンはタンパク質に含まれるアミノ酸の一種です。

タンパク質といえば、そう、お肉ですね。

ですので、肉や魚を食べれば多くのトリプトファンを摂取することができます(ただ動物性タンパク質は脳に入りにくい、という議論もあるようです。)

もちろん、他にもトリプトファンが含まれている食べ物はあります。

たとえば、アーモンドや納豆などナッツ類

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牛乳、またはヨーグルト、チーズなどの乳製品

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バナナ、

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あとはお米やパンなど主食類にもちゃんと含まれています。

 

要するに、トリプトファンは身近な食べ物にちゃんと含まれていますよ!ということです。

ですから、一般的な食生活をしている人であれば、トリプトファンの量が意志力に直接影響することはないでしょう。(日光に当たる時間が少ないなど、他の生活習慣がセロトニン生成に影響する可能性はありますが。)

「普段、あんまりお肉とか豆とか食べてないな~」という人は、意識してみると改善が期待できるかもしれませんね。

トリプトファンは朝に摂るのがオススメ

ちなみに、トリプトファンを意識した食事は朝に行うのがオススメです。

トリプトファンからセロトニン生成するのには時間が必要なので、日中に意志力を高く保ちたいなら朝の時点で摂取しておくことが大切だからです。

セロトニンは覚醒の役割もありますから、朝にトリプトファンを取っておくと日中シャキッと目覚めることもできます。

その意味では、朝食を取らない人は眠気が取れず、意志の力も弱化してしまう可能性があります。

充実した一日を過ごしたいなら、朝ご飯はしっかり食べましょう。

注意:トリプトファンの摂り過ぎは無意味

研究によると、トリプトファン通常レベルに摂取した被験者と、過剰に摂取した被験者では、意志力に明確な違いは見られなかったそうです。

正確に言うと、長期的なメリットを考える部位はより活発になったようですが、実際の行動には影響がありませんでした。

つまり、意志力を高めたいからといってトリプトファンをたくさん摂っても意味がないということです。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」とまでは言わないまでも、「ちょうど良いが一番良い」ということですね。


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習慣マネジメンター。「習慣は最も無理なく行動をコントロールして成果をもたらすアプローチである」を信条に活動。日本行動分析学会会員。
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