こんにちは、3110です。

 

さて、習慣マネジメントは、その理論的根拠を行動分析学に求めています。

皆さんは行動分析学についてどう思われますか?

待って!口に出さなくても大丈夫。

 

大体皆さんが考えていることが分かります。

それはずばり

 

 

「行動分析学って何ぞや?」

 

っていうことですよね。OK、わかっています。

 

確かに、行動分析学は少なくとも日本ではメジャーな学問とはいえません。

そこで、このページでは行動分析学について簡単に解説したいと思います。

行動分析学の考え方をを知って頂くことで、習慣マネジメントのスタンスについても知って頂けると思います。

 

行動分析学は古くて新しい心理学

「行動分析学の父」B.F.スキナー氏(1904~1990)

 

行動分析学は、20世紀前半にアメリカ人心理学者のスキナー氏が創始した学問です。

スキナー氏は米国心理学会が発表した「20世紀の最も偉大な心理学者100人」で、その第1番(1位?)に選ばれています。

アメリカ人ということが有利に働いたかどうかわかりませんが、歴史に名を残す心理学者であることは間違いないでしょう。というより故人なので既に残っていることになります。

 

スキナー氏は心理学の流れを汲む方ですので、行動分析学も心理学の1つとカテゴライズされています。

 

そう、みんな大好き私も大好きでおなじみの心理学です。

 

ご存じの通り、心理学は書店で1つの棚を占める程の人気ジャンルですよね。

ユングやフロイトやアドラーなどの名前は一度は聞いたことがあるかもしれません。

 

しかし一方、私は書店で行動分析学の本が並んでいるのを滅多に見たことがありません

街中のちょっと大きな本屋さん程度では見かけることはまずないと思います。(私調べ)

 

1世紀近い歴史があるのに、認知度が低い。

まさに古くて新しい心理学だといえるのではないでしょうか。

 

しかしながら、行動分析学はとてもユニークで面白い特徴を持っています。

一度学べば人の、社会の見方が変わるかもしれません。

 

行動分析学の目的と対象

 

行動分析学の目的は、文字通り行動の理由を解明し、そして行動を制御することです。

 

当初は動物を研究対象としていました。現在でも動物のしつけやトレーニングの方法は行動分析学の考え方が基礎になっています。

ある研究では、ネズミが実験用のレバーを押す時に入れる力の強さまでコントロールすることに成功したそうです。

 

そうして得た知見を元にして、やがて行動分析学は人の行動へ研究対象を移行するようになりました。

そして、人を研究対象に培われた理論は、人の実生活における行動改善に適用され、その有用性が認められるようになったのです。

 

現在では、教育、医療、ビジネス、スポーツなど様々な分野で、行動分析学を基礎とした行動改善法が使用されています。

 

このような経緯から、人が、というより行動がかかわる全ての領域が行動分析学の対象といって良いでしょう。

 

行動分析学は性格を行動の原因にしない

 

日本で広く認知されている心理学においては、性格や気質や感情、あるいは意識や無意識から起こる欲求などを行動の原因とするものが多いのではないでしょうか。

 

また、誰かを怒る際に「おまえはやる気が足りないんだ」とか、誰かを讃える際に「あの人はなんて思いやりがあるのかしら」などと言っているの見かけたり、あるいはご自身でも言ったことがあるのではないでしょうか。

これらも、行動の原因を性格や気質にあると考えていることの表れです。

 

ある側面では、そのような考え方にも意味はあるのですが、行動分析学では性格を行動の原因としません。理由は割愛・別記とさせていただきますが。

 

行動分析学が考える行動の原因

 

では、行動分析学は行動の原因を何だと考えているのでしょうか。

それはずばり、

 

行動の原因は、その行動を取り巻く環境にある

 

と考えています。行動について考える時の大前提です。

これが行動分析学の持つ、心理学としてはユニークな特徴です。

 

実際に人の行動の原因が、生来の気質にあるのか性格にあるのか、それも環境にあるのか、現在も議論は絶えないことでしょう。

いずれにせよ、行動を改善したい時に行動の原因を性格でや気質でなく環境に求めることには確かなメリットが存在します。

それは行動改善への介入が格段に容易となることです。

 

人の内側(心)は目に見えません。

だから行動の問題を解決しようとして心をどうにかしようとするのは、実体のない雲をつかむようなものです。とても難しくなります。

 

しかし、人の外側(環境)は目に見えます。見えるので客観的に推し量ることが可能です。

目で見えるものを基準にするので、分析や結果測定を定量的に行うことができ、介入を可視的な形で行うことができるのです。

 

現実の問題を解決するという点では、行動分析学は大きなアドバンテージを有していると言えるでしょう。

 

行動分析学では役に立つかどうかで価値を決める

 

また、行動分析学は非常に実践的な学問です。

プラグマティズム(功利主義)という立場を取っているからです。

 

プラグマティズムとは、研究の価値はどれだけ有用な結果が得られたかで判断するという考え方です。

つまり、行動分析学における研究価値は、実際の場面で役に立つかどうかで決まるのです。

 

実践的であるということが行動分析学のアイデンティティなのです。

 

行動分析学はあなたに合わせた行動改善法を提供する

 

行動分析学は、ある意味では非常にミクロな視点を持っています。

 

例えば、社会心理学では、ある状況で大多数の人が取った行動を人の行動傾向として採用します

もちろん、そこにはそれら個々の現象を裏付ける理論があるでしょうし、マーケティングや社会問題などを扱う際にはとても有益なものとなり得るでしょう。

 

一方、行動分析学が同じような問題を扱う際には、そういった行動を取る人はなぜその行動を取るのか、あるいはその行動を取らなかった人はなぜ取らないのか、対象一人一人を個別に分析して行動の原因を探ります

 

前者は大きいけれど網目が粗い網で漁をするようなものです。

一度に多くの魚を捕まえられるけれど、網目から漏れ出てしまう例外もあります。

 

一方、後者、つまり行動分析学は、小さいけれど非常に網目の細かい網です。

一度の漁で捕まえられる漁は少ないけど、ターゲットをしっかり捉えることができます。

 

そのため、行動分析学は個人や会社組織など一人一人の顔が見える領域で非常に有益になり得るのです。

 

対象となる一人一人のコンディションに合わせた改善方法が提案できる、いわばオーダーメイド型の心理学と言えるでしょう。

 

行動分析学は「使える」心理学である。

 

ここからは、行動分析学の解説というより私のユーザーレビューのようなものなのですが。

 

まだまだ浅学の身で恐縮ですが、行動分析学はおそらく万能ではありません

少なくとも現段階では、魔法や特効薬のように行動分析学を学べば行動の問題は何でも解決できるということはないと思います。使い手にもよると思いますが。

 

しかし、行動分析学は非常に有用なツールだと断言することもできます。

 

もちろん学問ではあるのですが、個人的にはそれ以上に使える道具である、という感覚がしっくりきます。

なぜなら、行動分析学には一貫したシンプルな行動原理があり、その行動原理という道具を用いて人の行動という複雑な事象を切り開き、分析し、改善していけるからです。

そしてそれは、使い方を習熟すれば誰にでもできるものなのです。

 

学問だからと言って大上段に構える必要はありません。

敷居は低く、奥は低い、(そしてあまり知られていない、)それが行動分析学です。

 

使える行動分析学で実践する習慣マネジメント、あなたも試してみませんか?

 

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