こんにちは、齋藤です。
何かを続ける、あるいは何かを我慢し続ける。
このようなチャレンジの成否を分ける要因の1つは意志の力です。
(もちろん、意志の力だけに頼らない工夫もとても大事です。)
この意志の力は常に一定というわけではなく、その時の状況や置かれた環境によって左右されます。
世界的な影響を与える政治家や経営者でも、ダイエットに失敗したり何度も禁煙に挑戦したりします。
それほど常にあらゆる場面で意志の力を維持するというのは難しいのです。
では、人はどんな時に意志の力が低下するのでしょうか。
意志力低下の原因を把握して対処方法を練っておくことは、行動の継続においてとても大切です。
ストレス
意志低下の大きな原因の1つはストレスです。
何か嫌なことがあった時、あるいは過重労働によって疲労がピークに達している時、私たちは自分に甘くなります。
ストレスを感じる時、人は即物的な快楽をいつも以上に求める傾向にあるからです。
ある調査では、試験でストレスを抱えていた学生は意志の力が低下しやすいことがわかりました。
具体的には、
- 喫煙やカフェインの摂取量が増える
- 食事や睡眠の質が悪化する、
- 整理整頓など身の回りの環境に無関心になる、
- 出費や約束事に無頓着になる
などの傾向がみられたそうです。
あなたもストレスフルだった日に、
「甘いものをを控えているけど今日は特別」
「仕事を頑張ったから今日は良いよな」
などと考えてしまったことがあるのではないでしょうか。
睡眠不足
周知の通り、睡眠時間の不足は心身ともに多大なダメージを与えます。
疾病リスクが高くなることはもちろんですが、日常のパフォーマンスにも大きな影響を与えます。
慢性的な睡眠不足は酩酊、つまり酔っ払った時と同じ状態をもたらすと言われています。
当然酔っ払った状態では意志の力は低下します。
また、イライラしやすくなるので理性的な判断や集中力が欠如します。
このような状態の下、強い意志の力で物事を継続することは難しいと言えるでしょう。
決断疲労
疲労というと肉体的なものを思い浮かべることが多いと思いますが、決断疲労も意志の力を低下させます。
人は決断を繰り返す度に自制心が低下するという結果が調査によって導き出されています。
具体的には継続力が低下し、先延ばしをすることが多くなります。
ですから、日々多くの決断を迫られる立場にいたり、日常生活で選択する機会が多い人は意志の力が慢性的に低下している可能性があります。
オバマ前大統領がグレーかブルーのスーツしか着ないのは有名な話ですが、その理由をインタビューでこう話しています。
「私は選択肢を減らしたいのです。食べ物や服のことをいちいち決めたくありません。他に決断すべきことが山ほどあるからです。」
決断することの面倒さや労力を十分理解して、そのエネルギーを他の大事なことに使っていたわけですね。
ちなみに彼は在任中の8年間、ずっと同じタキシードを着ていたそうです。
周囲への同調
よく日本人が指摘される空気を読む、周りに気を使う、何だかよくわからないけど同調圧力を感じる。
こういう場面は意志が低下しやすいデンジャーゾーンです。
禁酒していたけど、周りに場の空気を冷ましてはいけないと思ってつい飲んでしまう。
よく聞く失敗談ですよね。
人間は社会的な動物なので、周囲の期待に応える行動はとても強化されやすいです。
それが「ダイエットしたい」「趣味の時間を確保したい」「やりたくないことはやりたくない」などの自分の意志よりも優先されることは決して稀ではありません。
周囲の環境が自分の意志を主張することを強化するような環境であれば、きっぱり断ることは難しくないかもしれません。しかし、必ずしもそのような環境に恵まれるわけではないのが辛いところです。
ですから、そのような環境で自分の意志が低下していることを自覚し、できるだけリカバーできるような対策を講じる必要があります。
まとめ:意志が弱くなっている自分を自覚しよう
- ストレス
- 睡眠不足
- 決断疲労
- 周囲への同調
このような要因があなたの意志を低下させ、習慣化を妨げる可能性となります。
かといって、ストレスのない環境に移りましょう、睡眠不足を解消しましょう。と言われてもなかなか難しいのが実際です。
もちろん、自分の力で改善できるべきところは改善するべきです。
ですが、それにも限界はあります。自分では変えられない部分はやはり存在します。
ただ、このような状況でも意志の力が低下しているということを頭の隅に置くことだけでもずいぶん違います。
「今は意志の力が弱くなっているんだ。注意しよう」と客観的に考える事が大切です。
これができれば、そのまま状況に流されるよりもあなたの行動は目的に近づくものになるでしょう。