こんにちは、齋藤です。

ある行動が習慣化するにはどの程度の日数が必要となるのか。

皆さん気になるところだと思います。私も気になります。

そこで今回は、ネットや書籍でよく言われる21日説66日説についてご説明します。

この記事を通して「自分が習慣化するべき行動とは何か」も見えてくるかもしれませんよ。

21日で行動は習慣になる説

まず、よく言われるのが「習慣化に必要なのは21日説」です。3週間ですね。

「習慣 21日」で検索すると70万件以上もヒットします。(賛否両論ではありますが)

ただ冷静になって考えてみるとわかるんですが、3週間続けたけれど今は全然やってないことなんてザラにあると思います。私もたくさんあります。

過去の経験でもお分かりの通り、21日で行動が習慣化するというのは絶対の真実ではありません。

多くの識者、研究者からもこの説は否定されています。

では、なぜそんな説が広まったのでしょうか。

これは形成外科医であり臨床心理学者でもあるマクスウェル・マルツ博士の言葉が影響していると思われます。

博士は自著「自分を動かす」の中でこう述べています。

私達の持っているイメージが変わるまで通常、最低でも約21日かかります。

整形手術を施した後、その患者が自分の新しい顔になれるのに平均すると約21日かかります。腕や脚が切断された場合は、手足の幻影が21日間ほど残ります。また新居が、我が家のように思えるまでにはそこに暮らしてから約3週間かかります。

これらの例や他の場合でも、古いイメージが薄れていき新しいイメージが定着するまで短くても約21日間必要であることが示されています。

この本は世界的なベストセラーとなり、多くの自己啓発書の原典となったと言われています。

そうして広まる内に21日間について拡大解釈がなされ、行動が習慣化されるのには21日かかるという説が定着したと考えられるのです。

同書の記述の中に「習慣」という言葉が所々に見受けられたり、21日間ワークが提案されているのも理由の1つかもしれません。(本自体が悪書だというわけではありません)

ただ、新居や整形後の姿に慣れることと、他の様々な習慣を同様に捉えることには無理がありますよね。

残念ながら、そこまで習慣化は単純ではありません。

3週間で習慣化する行動もあるでしょうが、状況や内容によって所要日数は異なると考えるのが自然でしょう。

66日で行動は習慣化する説

次に多く見受けられるのは、「習慣化には66日必要」だとする説です。約2ヶ月。

これはユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)で行われた調査に基づく数値です。

その内容は、21歳~45歳の学生96人に毎日できそうだが実際には行っていない行動を1つ選んでもらい、その行動を行ったか毎日ウェブ上で報告してもらうというものでした。期間は84日間です。

内容は様々です。

水を飲むや果物を食べるなど食生活に関すること、ジョギングや筋トレなどの運動、少数ではありますが瞑想をテーマにした人もいました。

その結果、習慣と呼べるほど行動が自動化されるのにどの程度かかったのか。

十分なデータが採れた被験者の平均が66日でした。

ここから習慣に必要な目安は66日だという数値が生まれたわけです。

ただ注意しておかなければならないのは、これはあくまでも平均値だということです。

個々の習慣化に要する日数を見てみると大きくバラツキがあることがわかりました。

最も短い人は18日で習慣化しました。テーマは「朝食後は水を飲む」でした。

一方、84日の期間内では習慣化できない人たちもいました。テーマは主に運動です。

習慣化するには250日以上かかると予測された人もいました。

全体的な傾向としては、簡単で負荷の低い行動ほど習慣化しやすく、複雑で負荷の高い行動ほど習慣化に時間がかかるという結果が見られたそうです。

これは調査結果は目安にはなりますが、習慣化にかかる日数を具体的に特定することは難しい、ということも意味しています。

18日で習慣化するかもしれないし、250日経っても習慣化しないかもしれません。

実際には継続してみるしか方法はないのです。

日数がわからないとやる気にならないことは続けるべきではない

2つの説を参考にして分かることは

  • 習慣化に必要な日数ははっきりとはわからない
  • 簡単な行動ほど習慣化しやすく、難しい行動ほど習慣化しづらい

ということでした。

「結局分からないんじゃ意味ないじゃん」と思われるかもしれません。

でもちょっと初心に帰ってみて下さい。

元々、習慣化したい行動というのは自分とって価値のある行動のはずです。

意味が無い、デメリットしかない行動だったら習慣化しようとも思わないはずです。

つまり本当に習慣化すべきことは、結果として習慣化しなくても続ける意味のあることであるべきなのです。

もちろん、例えば試験など「何か目標があってそこまでは継続したい」というなら別の話です。

しかし習慣化すべき行動は、それこそ生きている内はずっと続けていくべき行動です。

「どれだけやったら習慣になるか分からない?ならやる気にはならない」という行動は、そもそもあなたにとって習慣化する価値のない行動なのかもしれません。

この記事を読んで自分が本当に身につけたい習慣とは何か、考えてみるのも良いかもしれません。