こんにちは、齋藤です。

三日坊主という言葉を知っていますか。

まあご存じですよね。知らない人はいないほど浸透している言葉です。

浸透しているということは、それだけ三日坊主になる人、三日坊主で苦しむ人が多いということです。

なぜ人は三日坊主になるのか。

実は、人が生きていくための重要な機能が働いてるからこそ三日坊主は起こるのです。

今回は、三日坊主になってしまう原因と三日坊主を克服し継続する方法をご説明します。

三日坊主に至るプロセス

弱化の原理

人は、結果にデメリットを伴う行動は起こさないという行動原理を持っています。

例えば、配膳中の給食に向かってくしゃみをして先生に怒られたら、それ以降はくしないように気をつけます。(私の実体験です。)

海でおぼれたり、クラゲに刺された経験のある人は海水浴を嫌がるようになるでしょう。

頼んだビールが全然冷えてなくておつまみも美味しくなかった。そんな居酒屋を利用することは二度とないですよね。

これらに限らずあらゆる行動に言えることなのですが、人は不快に感じた行動は避けるようになるのです。

この行動原理を行動分析学では弱化の原理と呼びます。

[blogcard url=”https://k-3110.com/jakka-no-genri”]

三日坊主は三日かけて行動が弱化されること

三日坊主になるのは、この弱化の原理が働いているからです。

筋トレでも勉強でも何でも良いのですが、「何かをやるぞ!」と決めて実行した最初の日、この日は意志の力を強く持って取り組むことができます。

むしろ、これから始めることにワクワクしているかもしれません。

しかし、いざ始めてみると、思ったよりしんどかったり、わからないことが多くて頭が痛くなってきたりします。

「あれ、思ってた感じと違うな」

そんな思いを抱きつつ、初日を終えます。

そして次の日、ちょっと面倒くささを感じつつ始めてみます。

やっぱりしんどいし、容量がよくわからない。

こんなネガティブな感想を持ちながら迎えた三日目。

もはややる気すら出ません。かろうじて手を出してみるも、全然続けられない。

「もう面倒くさい!」と心が叫んでいます。

四日目になると頭の隅にはあるものの、もう取り組む気にはなれません。

ちくっと痛む罪悪感を残しながらいつもの日常に戻っていくのでした・・・。

こんな感じで妖怪三日坊主は誕生します。

実際は3日も続けば良い方で、このプロセスが最初の1日で完了してしまう人も多いでしょう。

こんな事態になるのは、行動が三日かけて弱化されたからです。

初日は、頭の中の「楽しそう」「やってみたい」という思いだけで行動を起こすことが可能です。

行動に対する結果が学習されていないので、思考の中で行動が強化されるからです。

ただ一度始めてみると、想像したより結果が出ない、面白くない、時間は過ぎていくし疲れも溜まるというデメリット満載な現実にぶちあたります。

この時、脳は学習します。「これは続けるべきではない」と。

ただ、やめることへの罪悪感や、始めるのに要した出費などが後押しとなり、2日3日は続けられる可能性があります。

しかし、そうして続けていく中でも、頭は行動に伴う大きなデメリットを学習し続けます。

そしてある日、行動は完全に弱化され、チャレンジは失敗してしまうのです。

これが三日坊主になるプロセスです。

私たちが三日坊主になるのは、三日かけてその行動を続けるべきではないと学習したからなのです。

ちなみに頑張れば頑張るほど、行動は弱化されやすくなります。

頑張るということは、それだけ時間も手間も体力も使うからです。つまりデメリットが大きくなるのです。

デメリットが大きいほど行動は弱化されやすくなりますので、行動は弱化されやすくなるのです。

もちろん、行動に大きなメリットが確実かつ即時的に伴えば、労力が大きくても行動が維持される可能性はあります。

しかし、私たちが習慣化したい行動の多くはそういった類いのものではありません。

腹筋を1日頑張ればシックスパックになれるわけではありませんし、一日勉強漬けになれば合格圏内に入れるわけでもありません。このような続けることで初めて効果の出る行動はきわめて強化されにくいのです。

ですから、皮肉なことに気合いを入れて取り組めば取り組むほど、続けられなくなり、ひいては成果が出なくなってしまうのです。

三日坊主は生きる上での最善の選択

ただ、この三日坊主になる原理は、動物として当たり前の判断です。

厳しい自然界で生き残るためには食べ物や心地よい住処を得ることもできないのに無闇にエネルギーを使うような真似はできません。

生きるために必要なことだけにエネルギーを使い、その他の時間はおとなしくしている方が合理的なのです。

そして、私たち人間にもこの行動原理が備わっています。

思考だけが一人歩きしてあれをしたい、これをしたいと動き回ると、いざという時に正しい判断ができなくなります。

ですので、本能的な判断を優先させてエネルギーを浪費させてしまうのを抑制しているのです。

さしたるメリットもないのに辛いことを続けられる。この方がむしろ不自然です。

大して美味しくない居酒屋に通い続ける人は、変人のレッテルを押されてもおかしくないですよね。

三日坊主は、私たちが適切な行動判断をしている証明でもあるのです。

三日坊主を克服する方法

とはいえ、現代社会に生きる私たちにとっては、三日坊主のままでいては不都合なことが多いですよね。

「継続は力なり」という言葉があるように、成果を出すためには目的に向かって行動し続ける必要があります。

ですので、人は三日坊主になる生き物だという前提を踏まえて克服する方法を考えなくてはなりません。

続けるためのアプローチの方法としては、2つあります。

①メリットを大きくする

たとえ、多大な労力を必要とする行動でも、それに大きな報酬が伴えば人は行動できてしまえます。

ただ10㎞ランニングするのは嫌でも、「10㎞走ったら100万円プレゼント!」みたいな企画だったら大半の人は頑張って完走しますよね。

あるいは、毎日通勤して仕事に励むという大きな労力を伴う行動を毎日続けられるのは、そこに働くことのメリット、働かないことのデメリットが存在しているからです。

ですから「頑張る!」を続けるには相応のメリットが伴う状況にする必要があるのです。

最もメジャーな方法としては

  • 頑張った自分にご褒美をあげる作戦
  • 誰かに頑張るのを支えてもらう作戦

の2つでしょうか。

特に2つめは、きちんと機能すれば効果的です。

耳に残るCMでおなじみ某有名マンツーマントレーニングジムでは、筋トレの指導はもちろん、毎日の食事内容まで徹底チェックされます。そこまで監視されるので、サボることなく続けられ、結果を出すことができるのです。

②労力を小さくする

たとえ得られるメリットが小さくても、行動に伴う労力が小さければ続けることは難しくありません。

100円の報酬で10㎞走るのはやってられませんが、アンケートを答えるだけならばむしろお得に感じるでしょう。

ですから労力を極力小さくして習慣化に望むのは非常に効果的です。

労力を小さくする方法としては

  • 行動に伴う手間を減らす
  • 目標そのものを小さくする

この2つが考えられます。

行動に伴う手間を減らすというのは、具体的には

  • 勉強道具など、必要なものはあらかじめ机に用意しておく
  • ゴミを入れやすいよう、ゴミ箱は常に手の届く範囲に置いておく

などです。

一度準備してしまえば、その後は手間がずっと減る。そのような対策をしておくと続けやすくなります。

2つ目の目標そのものを小さくするというのは、

  • 毎日50回を目標にしていた腹筋を毎日3回にする
  • 1日本を50ページ読む目標を1ページする

のように、目標を小さくしてかかる時間や労力を抑えるわけです。

繰り返しますが、私たちが継続したい(けどできない)ことの大半は、頑張った分すぐに報酬がが得られるものではありません。

限界まで腹筋をやってもすぐにお腹は割れませんし、10時間英会話の勉強をしてもペラペラになれるわけではないのです。

つまり労力と報酬が比例しないのです。ですから、労力をできるだけ小さくしてデメリットを少なくし、行動が弱化されないように工夫する。つまり、目標を小さくするというアプローチが有効なのです。

[blogcard url=”https://k-3110.com/kakujitsu-ni-shuukanka”]

三日坊主は誰でも克服できる

人は、常にデメリットとメリットを天秤にかけ、傾いた方に従って行動を決定します。

三日坊主になってしまうのは、デメリットを方が重くなってしまっているからなのです。

ですからこの点を調整すれば、誰でも続けることが可能です。

調整に時間がかかるかもしれませんが、できないということはあり得ません。

三日坊主を克服して、理想の自分に近づいていきましょう。