こんにちは。齋藤です。
世の中にはやっておけば得はあっても損はないというモノがいくつかありますよね。
筋トレはその代表の1つと言えるのではないでしょうか。
筋力が向上すればスポーツが上達しやすくなるし長時間バテずに活動できます。また基礎代謝が上がるのでダイエットにもなるし、もしかしたら異性にモテるようになるかもしれません。
またそんな数々のメリットに比べ、デメリットはさして見当たりません。
ですから多くの人が「筋トレは良いことだ、筋トレを習慣化したい」と考えていると思います。
でも実際問題、筋トレってなかなか継続できませんよね。
始めては挫折して、また始めてはやっぱり挫折する。
あなたもこんな苦い記憶をお持ちではないでしょうか?
そこで、筋トレの習慣化に挫折しがちな人が陥ってしまいがちな取組み方についてまとめました。
また、それを鑑みて「どのようにしたら筋トレを続けられるのか」についてもご提案しています。
筋トレが続かない行動分析学的理由
人の行動原理は大ざっぱに言えば以下の2つで説明できます。
①行動の直後にメリットが伴うと、その行動は将来起こりやすくなる
②行動の直後にデメリットが伴うと、その行動は将来起こりにくくなる
この「直後」という部分がキーポイントです。
筋トレは、直後の結果だけ考えた場合、すぐに筋肉がつくわけではありません。
目に見える結果を出すには数ヶ月といったスパンが必要になるでしょう。
一方、疲労や肉体的ダメージは直後に、しかも確実にやってきます。
要するにさしたるメリットがないにも関わらず、デメリットは確実に伴う行動なのです。
なので筋トレという行動は非常に起こりにくい、つまり続けにくいのです。
この傾向は筋トレ初心者ほど顕著に表れるでしょう。
体力がなく筋トレのやり方にも熟達していないので、どうしても大きな労力が必要になってしまうからです。
筋トレが継続出来ない人の間違った方法
以上の行動原理を踏まえて、筋トレが継続できない人にありがちな取組み方をまとめてみました。
これは筋トレの方法として間違っているということでなく、習慣化という点で考えた場合に継続しづらい取組み方です。
効果そのものを否定しているわけでははないのでご了承下さい。
その1:全身を鍛えようとする
全身をバランス良く鍛える。
かっこいい、美しいボディを獲得するには、これが重要だとされています。
ボディビルダーの大会でも全身のバランスの良さが評価基準の1つになっているそうです。
しかし全身を鍛えるには数々のメニューをこなさなければなりません。
腹筋、背筋、腕立て、スクワットとこなし、ジョギングなどの有酸素運動で筋持久力を養う。
後にダメージや疲労を残さないためにも、事前のウォーミングアップや事後のクールダウンも大切ですね。
しかし、これらをすべてこなそうとすると、どうしても所要時間が長くなってしまいます。
長い時間を取るということは、それまで日常的に行っていた娯楽やリラックスタイムを犠牲にすることになります。
このような快楽と引き替えにトレーニングのような苦行をすることは、人間の行動原理としては不自然です。
人は快を求め不快を避けるようにプログラムされているからです。
ですから長い時間をトレーニングに当てると、脳が学習します。
「こんな長い時間の苦痛は継続するべきじゃない、もっと楽をすべきだ」と。
結果、私たちは筋トレをおっくうに感じるようになってしまうのです。
続けるために:1つずつ習慣化する
習慣化するに当たって大事なことは、腹筋だけ、スクワットだけなど、1つの種目から始めることです。
1つの種目だけなら短時間で終わるからです。短時間で終わるので今までの生活習慣にもさほど影響を与えません。
また、一度に色々な種目を覚える必要がないので負担も少なくなります。
やっていて楽しいと思える種目、あるいは一番鍛えたい部位に該当する種目から始めると継続しやすくなります。
どうしても最初から全身を鍛えたい場合は、今日は腹筋、明日は背筋、明後日はスクワットなど1種目を日替わりで同じ時間ずつ行うと良いでしょう。
その2:自分を限界まで追い込もうとする
続けられない人にありがちな要因の1つは、最初から高負荷でやろうとすることです。
「筋トレは限界に達した後の最後の1回が大事」
というような話はよく聞くと思います。
筋トレは高い負荷で限界までやらないとあまり効果がない、という情報はあちらこちらで見受けられます。
しかしこれは習慣化という意味ではあまりよろしくありません。
なぜなら、人はデメリットが大きい行動は回避するようになっているからです。
高負荷の筋トレをしたからといってすぐに筋肉がつくわけではありません。
一方、肉体疲労やエネルギーの消費というデメリットはかなり大きいです。
ですので、脳は「こんなことはやるべきではない」という判断を下します。
達成感というメリットによってある程度は続くかもしれません。ですが2日3日と経つと「こんなキツいことやっても無駄なエネルギーの消費でしょ」と学習するので、段々おっくうになってきます。
結果、この場合も続かなくなってしまいます。
続けるために:最初は少ない回数から始める。
生活に筋トレという習慣が組み込まれていない状態で筋トレをしようとすると、脳が行動を排除しようとします。
ですから、最初はなるべく低負荷で、普段の生活とコントラストがないレベルの負荷から筋トレを始めましょう。
「目標はスクワット1回」から始めてもオッケーです。むしろこの程度の方が良いです。
習慣化で大きなハードルとなるのが、最初の1歩を踏み出すこと、重い腰を上げることです。
なぜ腰が重くなるかというと、課題を達成するための労力を想像してしまうからです。
ですから、変にプライドを持って高い目標を設定してしまうと続けることができません。
一方、目標を「スクワット1回」にすれば殆ど労力を必要としませんから、実行に移しやすくなります。
勿論、実際に1回やって「まだまだいけるな」と思えばそれ以上をこなしても構いません。
むしろ、脳は行動することでやる気成分(ドーパミン)を分泌しますから、最初の1回がトリガーとなって次に進めてしまうということはよくあります。
そういう意味でも、「とりあえず1回だけ」を目標にすることは効果的です。
その3:成果だけにフォーカスしてしまう
行動は直後にメリットが伴うと継続しやすくなります。
ですから、筋トレでも目標を設定してそれを達成するという成功体験を積み重ねることが大事です。
しかし、ここで目標を「何㎏痩せる」だとか「体脂肪率何%減」のようなものにしてしまうのはよろしくないです。
これらの目標は筋トレを始めてすぐに達成できる目標ではありません。
一回の筋トレでも、それなりの変化は起きているのでしょうか、実感として捉えることのできない微々たるものです。
人は、いつまで経っても成果の伴わない行動を続けることはできません。
この「いつまで経っても」はせいぜい数日といったところです。
このような行動に対して、脳は「こんな非生産的なことをするべきではない」と判断します。
結果、続けることができなくなってしまうのです。
続けるために:成果ではなく行動そのものを目標とする
このような成果を基準にした目標よりも、毎日着実に続けること自体を目標として捉えた方が良いです。
つまり「毎日10回腹筋をする」といった、行動すれば必ず達成できる目標にフォーカスするわけです。
「今日一日ノルマをこなせた、自分に課したルールを守れた」という事実を強く認識することで、身体的な変化が実感できなくても達成感を味わうことができます。
また、それは「やりたいことを続けられる自分」に近づけているという自信にも繋がっていきます。
前述した「1回だけ目標」を設定すれば、毎日ほぼ確実に目標を達成できるでしょう。
まず筋トレする習慣を身に付けよう
以上、筋トレが続かない人にありがちな取組み方と、それを鑑みた続けられる取組み方についてまとめました。
要約すると、筋トレを習慣化させるのに大事な点は以下の通りです。
- 完璧にやろうとしない。短い時間で終わるようにする。
- 高負荷をかけない。労力のかからないノルマでスタートする。
- 成果目標だけを見ない。毎日のノルマ達成にフォーカスする。
習慣化するに当たって大事なことは完璧を求めない、最初から効果を期待しないことです。
まずは筋トレを習慣化するための筋トレから始めることが肝要です。
日常生活の中に筋トレが自然に組み込まれている、そんな状態になってから成果を求めるようにしましょう。