こんにちは、3110です。
今、シニアの方にダーツが流行っているようです。
ウェルネスダーツという言葉もあるようで、健康維持にも効果的だそうです。
中でも認知症予防に効果的だそうですね。
認知症予防はシニアの充実した生活にとって重要な課題ですから、ダーツを続けることでその効果を得られるのであれば嬉しいですよね。
楽しいことが役に立つ、そんな視点から日々を楽しみながら有益なことを続けるコツを考えてみました。
ダーツが認知症予防に効く理由「計算する競技だから」
そもそも、なぜダーツが認知症予防に役立つのでしょうか?
ダーツには「ゼロワン」というルールがあります。
このルールでは、持ち点から獲得点数を引き算していってゼロにすると勝利となります。
この引き算という作業が脳を活性化させることで、認知症の予防に役立つというわけです。
実際にダーツを続けることで計算能力が向上したという声も上がっているそうです。
しかし、頭を働かせるだけなら他に簡単な方法があります。
数独や計算ドリルなど、脳トレ的なことをするだけでも効果はあるでしょう。
これならわざわざ外出してお店に行く必要もありません。楽です。
しかし、こういったものにはないメリットがダーツにはあるのです。
勉強が続かない理由
そもそも、脳トレに限らず、机に向かって勉強的なことを行うこと自体がなかなか継続しづらい行動です。
計算ドリルなんてシンプルなものなら尚更ですね。
なぜなら勉強する行動はメリットよりデメリットの方が大きいからです。
もちろん、長期的に考えれば非常に有益な行動です。
しかし、直後の結果で考えればどうでしょう。
計算ドリルを解くことによる心身の疲れは確実に発生します。
一方で、計算ドリルを数日こなしたからといって
「うおお、脳が活性化したあ!」
と言えるような実感を得ることは難しいでしょう。
つまり、計算ドリルは解くという行動は、即時的な結果としてさしたるメリットがない一方で、デメリットは確実に存在する行動といえるわけです。
行動分析学における行動原理には行動の直後にデメリットが発生すると、その行動は将来起きにくくなるというものがあります。
(この原理を嫌子出現の弱化といいます。)
ですから、勉強だったり脳トレのための計算ドリルというのはなかなか続かないのです。
(もちろん、そういうことが好きという方は別ですが)
勉強にはないダーツが続けやすい理由
一方、これがダーツをする中で計算をするということになると状況が異なってきます。
ダーツ中に行う計算には確実なメリットが生じるからです。
もちろん、ダーツで頭を働かせたからといって、すぐに脳が活性化したり認知症にめざましい効果があるわけではないでしょう。
しかし、ゼロワンルールで勝つためには、勝つためにどこを狙えば良いのか計算する必要があります。
つまり、計算という行動に「ゲームを戦略的に進められる」「勝利に近づく」というメリットが伴うようになるわけです。
つまり家で計算ドリルをするのとは異なり、計算するという行動に短期的な視点でメリットが発生する状況となるのです。
行動分析学における行動原理として行動の直後にメリットが発生すると、その行動は将来起きやすくなるというものがあります。
(この原理を好子出現の強化といいます。)
ですから、ダーツをする、その中で計算をするという行動が継続されやすくなるのです。
ダーツが持つ圧倒的優位性
そもそも、ダーツはシニアにとってメリットが多い行動であるように思われます。
ざっと考えても以下のメリットが考えられます。
- ①費用がそれほどかからない
- ②身体能力が比較的勝敗に影響しない
- ③世代を超えたコミュニケーションができる
特に、③が他のスポーツより有利な部分かもしれません。
ダーツは元々若年層に流行っているスポーツというイメージで、実際その側面があると思います。
なので、ダーツを始めるとそういった若い人との交流を図ることができます。
人は極めて社会的な動物なので、人と交流したり注目して貰えることは単純に大きなメリットです。
その上、多くのシニアの方は若い人(特に子と孫の間の世代)との接点があまりないでしょうから、その点でも他の競技にないメリットが得られると考えられます。
つまり、「ダーツをする」という行動によって、家族と一緒にゲームしたり、若い人とコミュニケーションがとれる等の「普段できない交流ができる」というメリットが発生することにより、「ダーツをする」という行動が継続されやすくなると考えられるのです。
ダーツは、シニアが若い世代より勝つ可能性が比較的高い競技です。
強くなって若い人に勝ったり、若い人から尊敬を集められることはこの上ない喜びでしょう。
そうなると強くなるために必要な「計算する」という行動はより大切なものとなっていきます。
よって、計算ドリルをひたすらやるより、ダーツをする中で計算をする方が続く可能性が高いといえるのです。
勝ったり負けたり、様々な世代と交流したり、このような結果によって、ダーツをする行動が効果される、いわゆるダーツが好きになる状態になるわけです。
ダーツが好きになれば自然と継続するようになるでしょうから、認知症予防の効果も期待できるでしょう。
「やりたくない」は「やりたい」の中に組み込め!
以上の考察から、有益だけどを続ける1つの方法として、
続けたいことの中に組み込んでしまう。
ということが1つの方法だと言えます。
好きなダーツを続けることで、結果的に認知症予防に効果のある計算活動を続けるわけですね。
前述したように、学習行動やトレーニングなどはただ継続するだけだと辛いものがあります。
だから、それを行うことでメリットを感じる環境、「楽しい!」「面白い!」といえる環境をつくることが必要なのです。
ストイックこそが美学、辛い分だけ成長できるという側面は確かにあります。
しかし、楽しさや喜びを優先させることが自分を成長させることもあるのです。