こんにちは、齋藤です
私が行動を習慣化させたい時に、最初に必ず行うことが1つあります。
それは記録を取ることです。
とりあえず他は何もしなくて良いです。ただ記録を取るだけ。
しかし記録を取るだけの行為が時に予想以上の効果を発揮します。
この記事では、記録の取り方と記録を取る意味をご説明します。
記録の取り方
記録の取り方といっても科学者が用いるようなデータを作る必要はありません。
むしろ、最初は簡単な方法が望ましいです。
コストがかかる行動は起こしにくいからです。
1.記録用紙を用意する
まず、日にち毎に記録できる紙を用意します。
記録ができれば余っているカレンダーでもパソコンで自作しても何でも良いです。
極力、手間がかからないものにしましょう。
繰り返しますが、面倒くさい行動はなかなかできませんから。
2.習慣化したい行動を設定して記入する
習慣化したい行動は、「痩せたいから一日30分ジョギングする」とか、「睡眠時間を確保したいから毎日23時までに就寝する」など自分の目的に合わせたものにしてください。
そして、その習慣化したい行動を記録用紙に記入してください。
「週に4日は筋トレする」などの具体的な目標があるなら、それもどこかに記入してください。
ここで設定した行動のことを標的行動といいます。
標的行動を決める際には1つポイントがあります。
標的行動は自分でコントロールできる行動にすることです。
例えば、体重を○㎏減らすとか、睡眠時間を7時間取るなどはあくまで結果であって、自分でコントロールできる行動ではありません。
よって、標的行動として適切だとは言えないのです。
こういった成果が目標になってしまっている場合は、その目標を達成するための具体的な行動を何か1つだけ考えて設定してください。
睡眠を7時間取るのが目標なら、例えば23時までにはベッドに入ることを標的行動とするのが適当でしょう。
3.記録する
記録用紙を用意して、標的行動を設定したら記録を始めます。
記録を取る方法は、極力簡単な方法にした方が長続きします。
詳細な記録を取れるに超したことはありませんが、それが面倒になって記録を取らなくなっては本末転倒だからです。
例えば毎日ジョギングをすることが標的行動なら、ジョギングをした日は「○」、しなかった日は「×」とカレンダーに付けるだけでも十分です。
喫煙の回数を減らしたいなら、減った本数から吸った本数を割り出して記入する、という方法でも良いでしょう。
大事なのは、後から見て必要な情報がわかるようにすること。
そして、手間がかからない方法を探すことです。大事なことなので3回言いました。
また、記録用紙は目に付きやすい所に設置するのが望ましいです。
目に付くところに置くことで記録を取る行動が促されるからです。
出入りするドアの横に貼っておくとか、いつも使うデスクに置いておく、などがよろしいのではないでしょうか。
以上が、習慣化の第一歩となる記録の取り方です。
この時点では何か特別な方法を取り入れる必要はありません。
記録を取る意味と効果
記録を取ることで行動が改善する
意外に思うかもしれませんが、記録を取るだけで行動が改善することはままあります。
私の話になりますが、生まれつきのアトピー性皮膚炎で小さい頃から体を掻きむしっていました。それこそ血が出るまで。
大人になって大分状態が良くなっても、掻くことが習慣になっていました。
職場でも「ボリボリ掻くなよ」と注意される始末。
少しみっともないなとも思ったので、掻く習慣を緩和しようと思い記録を取り始めました。
まず、「これ以上は掻かない!」と目標を決め、体を掻く度に100均で買ったカウンターでカウントするようにしました。
すると、記録を取っていただけなのに徐々に掻く頻度が減っていったのです。
現在では、本当にかゆい時以外に掻くことは極端に少なくなりました。
悪い習慣が改善したのです。
なぜ記録を取るだけで行動が改善するのか。
記録を取ると、適切な習慣は良い結果として、不適切な習慣は悪い習慣として目に見える形で認識されます。
誰だって、良いものは見たいし、悪いものは見たくないですよね。
私の場合は、体を掻く度に目標値に近づいていくカウントが嫌悪的な刺激になったのだと考えられます。
その不快な刺激を回避するために、掻くという行動が弱まったのです。
記録を目に付くところに置くのはこのような効果も期待できるという側面もあります。
ベースラインを測定する
当然というか残念ながらというか、もちろん記録を取っただけ行動が改善しないこともあります。
しかし、その場合でも記録を取ることに意味はあります。
行動分析学に基づいた行動変容法では、行動に変化を与えるための介入を行う前に平常時の記録を取ります。
この記録はベースラインと呼ばれ、行動前後の変化を測定するために必要なものです。
また、記録を取ることで自分の行動を意識するようになります。
標的行動をする時としない時で何が違うのかを振り返る機会にもなります。
それは、どうしたら行動を改善できるか分析する材料にもなるのです。
その分析は自分でもできるかもしれませんし、専門家の助言が必要な場合もあります。
ただ、記録を取らないことには有効な分析も何もできませんから、やはり記録を取ることは習慣化に欠かせない最初の一歩なのです。
より良い分析を行うために、日毎や週毎にどんなことが起きたか詳しく記録しておくのも良いかもしれませんね。
しかし、それが負荷となって記録自体しなくなってしまうのは避けたいものです。
記録を取る期間
最後に記録を取る期間です。
自己監視が機能して目標が達成ができているなら、そのまま継続してください。
Congratulations!
行動に変化が起きないなら、2週間程度が一度記録を見直して分析する目安になります。
あまりに短いと判断材料が少ないですし、必要以上に長くても意味がありません。
ケースにもよりますが、そのちょうど良い期間が2週間が妥当と考えられるのです。
まとめ
・習慣化の第一歩は記録を取ることである。
・記録は毎日取れるようにする
・記録を取るだけで習慣が変わることもある。
・記録を取ることは行動改善の分析材料となる。
やってみると分かるのですが、新しく記録を取り始めるというのはなかなか面倒で続かないものです。
行動分析学的に言うと、強化がされにくい作業なのです。
しかし、記録は長期間にわたって行うものですから、それ自体を習慣化させることが大事になります。
なので、最初は完璧主義的にならずに、簡単かつ気楽に記録を取れるようにしておくのがオススメなのです。