※この記事は「シンプルに学ぶ行動分析学」の第1回です。

めくるめく行動分析学の世界へようこそ!

 

行動分析学は行動の原因を解明し、行動を制御することを目的とする学問です。

となると研究対象は当然行動になります。

そして、科学として行動を研究するには、そもそも行動とは何か、つまり「行動」の定義をはっきりさせる必要があります。

分析対象をしっかり定めなければ、効果的な分析はできません。

 

この記事では、行動分析学を効果的に活用するために、その分析対象に足る基準となる「行動」とは何かをご説明します。

と言っても小難しい用語や方程式を使ったりはしませんのでご安心ください。

行動分析学では2つのテストをパスできる行動を「行動」として定義します

順にご説明していきましょう。

 

1.死人テスト

 

行動分析学では行動か行動でないかの判断基準に、まず死人テストというものを用います。

ややセンセーショナル(?)な字面ですが、簡単に言えば死人にできることは行動ではないという判断の仕方です。

 

詳しく説明していきましょう。

具体的には以下の3つの条件に当てはまらなければ、死人テストをパスしたことになります。

第一段階クリアというわけです。

 

「~される」は行動でない

つまり「受け身」ですね。死人にも「~される」ことはできますから行動とは認められません。

「褒められる」「叱られる」「殴られる」「ジャイアンのリサイタルを延々と聴かされる」

などが当てはまりますね。

「~される」のは自発的な活動ではないので、改善の余地がありません。

なので、行動分析学では扱うことはできないのです。

 

「~しない」は行動ではない

これはイメージしやすいと思います。「しない」ことは死人の得意技です。

「歩かない」「しゃべらない」「宿題をしない」などは行動とはみなしません。

 

「~している」は行動ではない

「静かにしている」「寝ている」「座っている」

これらは状態なので行動ではありません。

死人だって誰かが一度座らせれば「座っている」状態を維持できますよね?

一方、「座る」という動作は死人にはできませんから立派な行動です。

 

以上3点が死人テストの検査項目です。

これらの条件をクリアすれば次の「具体性テスト」に進むことができます。

 

2.具体性テスト

 

具体性テストは、その行動が行動分析学で扱えるだけ具体的かどうかを確認するものです。

標的とする行動が定まらなければ効果的な行動改善ができないからです。

 

「どれだけ具体的であればいいの?」という疑問に対する回答は、ケースによって異なります。

 

例えば、モチベーションの上がらない水泳選手の泳ぐ行動を増やしたい場合は「泳ぐ」を行動の一単位とみなして構いません

しかし、泳げない人に泳ぎ方を教える場合には、「泳ぐ」では具体性が欠如しています。そもそも泳げない人はどうやったら「泳ぐ」ことができるのかわからないわけですから。

その場合は「水にうつぶせで浮く」「手を前に伸ばす」「足を交互に動かす」のように、「泳ぐ」という行動を具体的に分解してあげる必要があるのです。

 

もう1つ例を挙げます。

宿題をする」という行動はどうでしょうか。

これは、行動として扱っても良い場合もあれば具体化が必要な場合もあります。

もし「宿題をする」行動全般を標的とするならばこのままでも良いでしょう。

しかし、ケースによっては、算数の宿題はするけれども国語の宿題はしないということもあります。さらに細かく追及すれば、作文の宿題はするけれども漢字ドリルはしないということもあり得ます。

この場合、他の宿題はするわけですから、標的とするべき行動は「宿題をする」ではなく「漢字ドリルをする」ということになります。

 

このように、問題の解決を図る際ケースに応じて行動を具体的にかみ砕いて捉えるということは、標的行動を性格に捉えるためにとても重要なのです。

 

行動をどれだけ具体化すべきかは状況によって異なると述べましたが、ある程度の目安はあります。

それは、

その言葉を聞いて、誰もが同じ光景を連想するレベル

その光景を見て、誰もが同じ行動(を指す言葉)を連想するレベル

まで具体化することです。

 

少なくとも、当事者や周囲の人が同じ様子を連想するレベルまで行動を具体化する必要があるでしょう。

例えば、「勉強する」という言葉を聞いて、ある人はテキストを音読する様子を連想し、ある人は問題集を解く行動を思い浮かべる、というような状況では標的となる行動が定まりません。

 

「頑張りなさい」「おとなしくしなさい」「やる気を出せ」「親切にしなさい」「周りのことを考えて行動しろ」などのセリフはよく聞きますが、そこから連想する行動が言う人と言われる人で違っていたり、あるいは具体的にどのような行動なのかどちらもよくわかっていない、という場合も多いのではないでしょうか。

これでは、相手に自分の望むような行動をさせることは難しいでしょう。

 

このように、行動は具体化しなければ、何を改善すれば良いかも不明確になってしまいます。

つまり、行動の改善方法を考える以前のところでつまずいてしまうのです。

 

まとめ

・行動を定義するには「死人テスト」と「具体性テスト」をパスする必要がある。

・「死人テスト」では、死人にできることを行動とは認めない。

・「具体性テスト」では、皆が同じ様子を連想するまで行動を分解する。

・行動を定義することで、初めて標的となる行動が定まり、効果的な行動改善につながる。

 

繰り返しになりますが、行動を改善するには「標的行動」をはっきりさせることが重要です。ここをしっかりしておかないと、効果の望めない改善策に走ったり、本来変える必要の無い行動に影響を与えてしまうことがあるからです。

 

次回の「シンプルに学ぶ行動分析学」では、3つの基本的な行動原理についてご説明します。


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習慣マネジメンター。「習慣は最も無理なく行動をコントロールして成果をもたらすアプローチである」を信条に活動。日本行動分析学会会員。
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