こんにちは、3110です。
さて、この記事では行動分析学の基本的な原理である強化の原理について、「シンプルわかりやすく」を目標にして説明していきたいと思います。
「さらっと知りたいよ!」という方はこちらからどうぞ。
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よろしければ第1回からどうぞ。
行動を習慣化させる強化の原理
さて、強化の原理を一言で表すとこのようになります。
行動の後に好ましい結果が伴うとその行動は将来起きやすくなる。
「挨拶したら挨拶を返してくれた。」
「お手伝いをしたらママに褒められた。」
シンプルなケースですが、このような時に行動は習慣化しやすくなります。
この強化の原理ですが、実はメリットの種類によって強化の原理は2種類に分かれます。
「好子出現の強化」と「嫌子消失の強化」です。
順にご説明していきましょう。
好子出現の強化
好子(好ましいもの)が行動の後に出現すると、その行動は将来起きやすくなる。
この現象を好子出現の強化と呼びます。
好子が出現して行動が強化されるわけですね。そのまんまですね。
上で挙げた強化の例は、まさに好子出現の強化です。
挨拶を返してくれるという好子によって、挨拶するという行動が強化されます。
褒められるという好子によって、お手伝いするという行動が強化されます。
ポジティブな効果によって行動が増える。
増えた行動によってポジティブな効果も一層得られる。
「好子出現の強化」は最も幸福な行動原理だとされています。私によって。勝手に。
Information!
「お手伝い」を例にした上の図式は、行動随伴性ダイアグラムと呼ばれるものです。
行動の前後でどのような好子や嫌子が出現したか、又は消失したかを整理・確認するために使われます。
他にも、
「毎朝、コンビニに行ってパンを買う」
⇒パンという好子の出現によってコンビ二に行く行動が強化
「部屋が暗いので電気を点ける」
⇒明るいという好子の出現によって電気を点ける行動が強化
「テレビのリモコンのスイッチを押す」
⇒テレビが映るという好子の出現によってリモコンのスイッチを押す行動が強化
このような何気ない行為も好子出現の強化の原理によって習慣化しているのです。
嫌子消失の強化
さて、お次は嫌子消失の強化です。
もうお察しがついているかもしれませんが、
嫌子(嫌なもの)が行動の後に消失すると、その行動は将来起きやすくなる。
これが嫌子消失の強化です。
嫌子が消失することで行動が強化されるわけですね。
直感で理解できるシンプルさが実に素晴らしい。
こちらも簡単な例を挙げてみましょう。
頭痛がひどいので薬局で買ってきた頭痛薬を服用した。
しばらくすると具合が良くなったので、頭痛の時にはその薬を使うようになった。
このケースの場合、頭痛薬を服用するという行動によって頭痛という苦しみ(嫌子)が消失しました。
メリットが生じたので、今後も頭痛が起きた時には薬を使うという行動が繰り返される可能性が高いでしょう。
つまり嫌子消失の強化といえるわけです。
他にもざっと「嫌子消失の強化」の例を挙げると
「お腹が空いたのでご飯を食べた」
⇒空腹という嫌子の消失によってご飯を食べる行動が強化
「食器を洗ったらきれいになった」
⇒汚れという嫌子の消失によって食器を洗う行動が強化
「雨が降っているので傘を差した」
⇒雨(に濡れる)という嫌子の消失によって傘を差す行動が強化
などなど、嫌子消失の強化も例を挙げるに事欠きません。
私たちが現在行っている行動は、すべて強化の原理に従っています。
私たちの習慣を全て説明できる。そう、強化の原理ならね。
まとめ
- ・行動の後にメリットがあるとその行動は将来起きやすくなる。これが強化の原理である。
- ・行動の後に好子(好ましいもの)が出現すると、行動は強化される。(好子出現の強化)
- ・行動の後に嫌子(嫌なもの)が消失すると、行動は強化される。(嫌子消失の強化)
シンプルに、メリットが伴う行動は強化されると覚えていただいてもけっこうです。
しかし、より正確な分析、つまりどのような好子が出現してどのような嫌子が消失したのかが分析できると、より正確な行動改善法につながります。
とてもシンプルな原理なので、是非覚えてみてください。
自分の習慣がどのように好子や嫌子が関わっているのか考えてみると面白いかもしれません。
次回の「シンプルに学ぶ行動分析学」では、習慣化した行動を消してしまう消去の原理についてご説明します。