※この記事は「シンプルに学ぶ行動分析学」第2回です。

興味を持って頂けたなら第1回もどうぞ!

 

身につけたい習慣がある。解消したい悪習慣がある。

このように考えることは人生で何度もあります。

 

しかし、実際問題として自分の行動を思い通りにコントロールすることはなかなか難しいものです。

かっこいい体になりたいけど筋トレはめんどくさいし、禁煙はしたいけど一服するとスッキリする。

ダイエットしたいけど炭水化物はやっぱり美味しいし、上司への報連相はなかなか徹底できない。

正しいことだとわかっているのに続けられない、駄目なことなのにまたやってしまう。

私たちは常にこのようなジレンマと闘い続けています。

 

「これもこれで自分という人間なのさ」と落ち着くのも1つの方法ですが、できるなら思った通りに行動したいですよね?

 

行動の原因を探るためのたった1つの考え方

前回の「シンプルに学ぶ行動分析学」では、行動分析学で扱える行動とは何か、についてご説明しました。

 

今回は、行動を改善するための基礎知識、人が行動する原因としない原因についてカンタンにご説明していきたいと思います。

 

行動分析学において、行動の原因について考えるべきポイントはたった1つです。

それは

行動の直後に「状況」がどのように変わったか

です。

状況は環境、あるいは行動の結果と言い換えても良いでしょう。

 

あなたを取り囲むAという状況があります。

その状況があなたの行動によってBになったりCに変わったりします。

あるいは何も変わらずにAという状況のままかもしれません。

このような状況の変化によってあなたのその行動が将来にわたって維持されるのか、あるいはなくなっていくのがか決まるのです。

「状況」があなたの行動を決定します。

これは行動分析学において大前提となる考え方です。

 

状況の変化で行動がどのように変わるのかは3種類に分類できます。

すべての行動はこの3つの行動原理いずれか、あるいは複数の影響を受けることになり、その後に、その行動が習慣化するかしないかを決定するのです。

 

行動が習慣化する「強化の原理」

行動の直後に状況が好転する場合、その行動は習慣化しやすくなります

これは強化の原理と呼ばれます。状況の変化で行動の頻度が増えるからですね。

例えば、帰宅した時にはまず部屋の電気を点けますよね。

誰もが行う習慣です。

なぜ電気を点けるかというと、部屋が明るい方がよく見えるからです。

これは、電気をつける行動によって部屋が暗い状態から明るい状態へと好転しているわけです。

状況が好転しているので、電気をつける行動は習慣化されます。

だから、私たちは暗い部屋に入る度に部屋の電気をつけるのです。

 

 

とても単純な例ですがこれがこれが強化の原理です。

私たちが習慣的に行う行動はすべてこの行動原理によって強化されています。

 

行動が習慣化しなくなる「弱化の原理」

一方、行動の直後に状況が悪化するとその行動の頻度は少なくなります

つまり習慣化しない可能性が高くなります。

これは弱化の原理と呼ばれます。状況の変化によって行動の頻度が減少するからです。

例えば、生ものを食べて食中毒になった人は、あまり生ものを食べなくなると聞きます。

これは、食中毒になるという非常に嫌な結果が伴う経験をしたことで、生ものを食べる行動が弱化したからです。

 

 

私たちが避けている行動は過去に弱化の原理を経験していることが多いです。

上司や先生に注意された行動は(少なくともその人の前では)しなくなることが多いですよね。

これも注意されるという状況の悪化を経験してその行動が弱化されたからなのです。

 

習慣化された行動がなくなる「消去の原理」

3つ目の消去の原理は、行動が少なくなるという意味では弱化と似ていますが、プロセスが異なります。

弱化の原理は行動の直後に状況が悪化することで行動が少なくなります。

消去の原理は、行動しても何も状況が変化しないため行動が少なくなるという原理です。

何か新しい行動を始めても、その直後に好ましい状況の変化がない場合は習慣化しません。

また、習慣化していた行動であっても消去を受けると習慣でなくなってしまいます。

行動が消えるので、この原理は「消去の原理」と呼ばれるのです。

結果の出ない無駄な行動はしなくなると言い換えてもいいでしょう。

ちなみに、行動する機会の少なくなった習慣も、強化される機会が減少するため消去されやすくなります。

 

消去の原理を説明する際によく使われる例が「自販機の故障」です。

私たちが自販機を利用するのは飲み物が手に入るからです。当然ですね。

行動分析学的に説明すれば、飲み物によって自販機を利用する行動が強化されている状況です。

強化の原理が働いているので、行動は習慣化します。

 

しかし、自販機が故障してしまい、お金を入れても戻ってきてしまうようになったらどうでしょうか?

何回かは試すかもしれませんが、いずれは諦めてしまうはずです。

そしてあなたは以後その自販機を使うことはなくなるでしょう。

飲み物が手に入らなくなってしまったので、自販機を利用する行動が消去されてしまったというわけです。

これが消去の原理が働くプロセスです。

 

 

前の職場では挨拶をしたら挨拶を返してくれたのに、新しい職場では挨拶をしても無反応だった。もしくは素っ気ない反応しか返ってこなかった。

しばらくすると自分も挨拶しなくなった。

こんな成り行きは、まさしく消去の原理が働いているシチュエーションです。

挨拶を返してくれない職場で挨拶をすることは、飲み物が出てこない自販機にお金を入れるようなものだからです。

もちろん、対策(修理)すれば改善することも含めてですが。

 

まとめ

  • 私の行動が習慣化するかどうかは、その行動で状況にどんな変化が生じたかで決まる。
  • 行動の後に状況が好転すると、その行動は習慣化する(強化の原理)
  • 行動の後に状況が悪化すると、その行動は習慣化しなくなる(弱化の原理)
  • 行動しても状況に変化がないと、その状況は習慣化しなくなる(消去の原理)

 

行動分析学の考え方がユニークなのは、心理学の一派でありながら行動の原因に「心」を持ち込まないことです。

「状況」あるいは「環境」という目に見える、あるいは計測できうるモノでヒトを分析するので、自分の行動も他人の行動も分析できます。

そして、目に見えるモノで行動を分析できるということは、目に見える手段で行動を改善できるということです。

あなたが「普段している行動」はどんな状況の変化によって習慣化していますか?

あるいは「普段していない行動」はどんな状況の変化によって習慣化していないのでしょうか?

この2つをを考えることで、理想的な行動習慣に近づくことができるでしょう。

 

次回の「シンプルに学ぶ行動分析学」では、行動に影響を与える2つの要素、好子と嫌子についてご説明します。


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習慣マネジメンター。「習慣は最も無理なく行動をコントロールして成果をもたらすアプローチである」を信条に活動。日本行動分析学会会員。
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