こんにちは、齋藤です。

「好きなことで、生きていく」

世界一有名な動画サイトの宣伝で使われたキャッチフレーズです。

良い響きですね。誰もが憧れるんじゃないでしょうか。

好きなことで生きていく、要するに好きなことを仕事にして生活できるのであれば、それはとても素晴らしいことだと思います。

つまらないと感じる仕事より好きな仕事の方がインプットもアウトプットもより生産的になりますから、それだけ社会に与える価値も大きくなりうるでしょう。

ただいずれにせよ、好きなことで生きていくにはまず自分の好きなことを知る必要があります。

しかし残念ながら、好きなことが永遠に見つからず好きなこと難民になってしまう人も一定数います。

「始めてみたら楽しくなかったから好きなことではない」

という好きなことは始めた瞬間から楽しいに違いないと思い込んでいる

こんな人は好きなこと難民になりやすいですね。

好きなことを心理学的に定義する

まず世間一般で言われている好きなことの定義について確認しておきます。

間違いなく、お金や物品を目的に行うことは違いますよね。

もしそうなら世のサラリーマンは皆好きなことをして生きていることになります。

私たちが指す「好きなこと」は、外的な報酬に依存せずとも行いたくなることです。

感覚的に言えば、自分の内側から意欲がわき起こる、そんなことが好きなことだと言えるでしょう。

こういった外的な報酬がなくても行動が促されるような動機付けを、心理学では内発的動機づけと呼びます。

一方、金銭や物品などによって行動が促された時は外発的動機づけです。

いわゆる「好きなこと」というのは、前者の内発的動機づけによって起こる行動だと定義できます。

好きなことの判断基準

アメリカの心理学者デシによると、この内発的動機づけが高められる要因は3つあります。

つまり好きになる条件ですね。

  • 関係性:他者と良い関係を築けること
  • 有能感:自分が「できる人間」「優れた人間」という感覚が得られること
  • 自律性:他者から強制されることなく自分で選んだという感覚があること

この3つが内発的動機づけが高まる条件です。

逆に言えば、この3つの要素のうち1つでも阻害されると内発的なモチベーションを保つのが難しくなります。

中でも、好きなことを見つける時ネックになるのが有能感です。

有能感は自分が優れているという感覚によって成立します。

要するに「俺(私)って結構すごいんじゃない!?」という感覚が行動に伴うと好きになれるということです。

ただこの有能感を伴うには、ある程度の能力を有していることが前提条件となります。

一方で「始めた」段階では、有能感を味わうのに十分な能力を持ち合わせていません。

実際にやってみると想像のように上手くはいきません。始めたばかりですから当然です。

同時に「なんだよ全然だめじゃん」という感想も持つでしょう。これも自然です。

ただこれは有能感が阻害されている状態です。よって内発的動機付けが低下します。やる気が湧かなくなってしまうわけです。

ですから始めた当初が最も好きなことに感じにくいのです。ここで離脱してしまう人が非常に多い。

そしてこれは「好きなことじゃなかった」と、別のことに移ってしまうんですね。

このサイクルが癖になってしまった人はなかなか好きなことが見つかりません。

むしろ新しいことに挑戦する度に有能感が阻害されるので好きじゃないことが増えていきます

そうして、好きなことをしたいのに好きなことが見つからない、好きなこと難民になってしまうのです。

好きなことといえるかどうかはある程度の能力があって初めてわかることです。

カナヅチで泳ぐのが好きという人はそうそういません。泳ぐのが好きになれるのは泳ぐ能力があるからです。そして能力を獲得するにはある程度の継続的な反復練習が必要です。

継続的な練習を経て、初めて好きかどうか判断することができるのです。

「できないから好きじゃない」は判断基準として論外です。

継続すれば好きなことになるかもしれないのに、最初の一歩でつまづいたから「これは違う」と判断するのはあまりにもったいないと思いませんか?

能力のいらない「好き」は仕事にならない

ただ一方で、大した能力がなくても内発的に動機づけられる行動も存在します。

たとえば音楽を聴いたり、漫画を読んだり、景色を楽しんだりすることに能力は不要ですよね。

要するに5感で心地良い刺激を感じるような行動です。こういった行動は知覚能力さえあれば良いので簡単に好きになれます。

趣味が映画鑑賞、音楽鑑賞という人もいるように、こういった知覚刺激を求めることでも人生は充実していくでしょう。

しかし「好きなことで生きていく」「好きなことを仕事にする」という場合、この「好き」では難しいと言えます。

なぜなら好きで生きていくためには好きを仕事にする必要があります。

そして仕事とは他者に価値を与えて初めて成立します。つまりアウトプットが前提となります。

一方、能力がなくても成立する「好き」はインプットが主です。

先ほど挙げた、

  • 音楽を「聴く」
  • 漫画を「読む」
  • 景色を「見る」

これらもすべてインプットですね。

もちろん音楽や漫画が好きなことがマズいわけではありません。私も大好きです。

しかしこれらの「好き」を仕事にするにはインプットをアウトプットに転化させる必要があります。

繰り返しますが、仕事とは他者に価値を与えることだからです。

たとえば音楽好きなら、演奏者になる、歌手になる、作詞家・作曲家になる、音楽情報を提供する、販売に携わる・・・。

他にも考えればたくさん出てくるでしょう。

ただいずれの道に進むとしても、演奏力、歌唱力、文章力、セールススキル、コミュニケーションスキル等々。

このような能力が必ず必要とされます。

ですから能力が不要な「インプットの好き」だけでは好きなことで生きていくことは難しいのです。

始めた瞬間から好きなことになる条件

たとえ好きになりうることであっても、始めたばかりの頃は能力不足のせいで有能感が得られないため、好きなことではないと判断してしまう。

しかしその一方で、最初から楽しく取り組める人がいるのも事実です。

ただそれにはいくつか条件があると考えられます。

すでに有能感を得られる能力を持っている

有能感を感じるに足る能力を別の分野で既に培っている場合、始めたばかりのことでも好きになれる可能性が高いです。

たとえば、基礎的な身体能力が高い人は、初めて取り組むスポーツであってもに好きになれる確率は高いです。

楽器の演奏経験でリズム感と音感を培った人は、ダンスを始めたらあっという間に上達するかもしれません。

そういった人たちに共通しているのは、今までに何らかの訓練をしてきたか、あるいは先天的に優位な身体能力を有しているということです。

背が高ければ、バスケットボールやバレーボールが好きになりやすいといった感じですね。

つまり始めたばかりとはいっても、好きになる前提条件をあらかじめ満たしているわけです。

では、そういった人たちだけが好きなことをすぐに見つけられる特権を有しているのでしょうか。

いえ、おそらくそうではないでしょう。

一見目立った能力がないようでも、またはとりわけ頑張ってきたといえるものがなくても、人はそれまでに生きてきた歴史があり、その中で何らかの能力を獲得しているはずです。

それは別の人生を歩んできた他の誰かは持ち合わせていないものです。

こういった潜在的な能力を見つけ、それを発揮できる分野を見いだすことができれば好きなことは見つかりやすくなるでしょう。

その意味では、早々に見切りをつけて別のことに挑戦するのも有意義ではあります。

ただ、自分は何が得意で何に喜びを感じるのかしっかり分析しておかないと結局は運任せになります。

自身の成長に有能感を感じることができる

能力そのものや結果によって有能感を感じるのではなく、成長することに喜びを感じることができる人は強いです。

他の誰かではなく、今までの自分と比較して有能感を感じることができるわけですね。

この感覚を持てる人は、興味を持った大抵のことを好きになれるでしょう。

おそらくこういった人は、結果を出したことよりも頑張りや成長を評価されて育ってきた可能性が高いです。

目標は高くても地道に前進していく。そういう人が結果として高みに登ることができます。

有能感をカバーできる優良な人間関係を獲得できる

内発的動機づけか高められる条件の1つの関係性があります。

つまりその行動によって優良な人間関係が構築できる場合、能力がなくても好きなことになる可能性があります。人間は極めて社会的な動物ですから当然と言えば当然です。

しかし人間関係の問題は他者に依存する部分が大きいです。最小化はできてもゼロにすることはできません。

良い人間関係が築けるかは運次第、ということです。

結局、自分でコントロールできるのは継続して反復して能力を獲得することなのです。

また、そういった人の方が結果的に良い人間関係を築ける可能性が高くなります。

好きなことを見つけるには継続する力が大切

有能感を感じることができず、好きなことを求めて次から次へと新しいことへ移っていく。

好きなこと難民から抜け出し一歩前に踏み出すには、「好きなことを見つけるには継続と努力が必要」という認識を持つことです。

始めたことが楽しく感じられないのは、まだ有能感が満たされる段階ではないからだという前提に立つことが大切です。こう考えれば「とりあえず興味を持ったことは続けてみよう」という視点を持つことができます。

そうして蓄積された能力が発揮されることで有能感が満たされ、初めて「好きなこと」という感覚が得られるわけです。

ちなみに、まったくの初心者がある程度の上達するには20時間あれば良いようです。

参考記事>20時間の法則で1年に4回新たな自分に生まれ変わる

とりあえず20時間を目標に継続してみて、好きかそうでないかを判断してみてはいかがでしょうか。

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習慣マネジメンター。「習慣は最も無理なく行動をコントロールして成果をもたらすアプローチである」を信条に活動。日本行動分析学会会員。
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